紛争の内容
裁判所から、破産者は、自動車が原因で借入金を返済することができなくなり、支払不能となり破産手続開始の申立てがあったとのことで、破産管財人就任の打診を受けました。
交渉・調停・訴訟等の経過
まず、裁判所からの指示が明確でないことの理由は、申立書の破産に至る経緯の説明が不十分であったためでした。
そこで、管財人面談の際、一から聞き取りを行い、事実上陳述書を作成し直すことになりました。
聞き取りの結果、当初は何も見えていなかったことが分かり、あくまで通常の利用による自動車の利用が趣味としておりその頻度が多数回過ぎたことであって、改造を繰り返し行ったというような限度を超えた程度の重い浪費はしていないことが分かりました。
また、破産者は素直に正直に全て答えており、収入に比して自動車にお金を掛けすぎた浪費という免責不許可事由はあるものの、裁量免責が相当であるとの意見書を書きました。
本事例の結末
裁判所は、破産管財人の意見を尊重し、免責許可をしました。
本事例に学ぶこと
破産手続の申立てにあたっては、不備があることもあり、実態が何も分からないこともあります。本件はまさにそのようなケースでした。
破産管財人面談で長い時間を取って詳細に聞き取りをすることで、本当に破産者の免責を認めるべきか、裁判所に対しても適切な報告を行うことができました。
弁護士 平栗 丈嗣