紛争の内容

ご相談者の方は、ご自身の生活費と離婚をした元妻の生活費を賄うために借り入れを行っており、コロナ禍で仕事が急減したことから、返済に窮しご相談にお越しいただき、ご依頼いただきました。

元妻の方は、体調が芳しくなく働くことができなかったことからどうしてもご依頼者の方が経済的な援助をする必要がありました。

債務総額は1000万円ほどあり、なんとか破産をして免責許可決定を得る事を目標としてご依頼いただきました。

交渉・調停・訴訟等の経過

ご依頼を頂いたのちも、どうしても元妻の方への経済的援助をやめることができませんでした。

本来、破産を申し立てるのであれば、他の第三者の方への経済的な支援は認められません。

そのため、理屈上は支払ったお金の返還を求められることとなります。

しかしながら、元妻の方のご体調を考慮するとどうしても経済的な支援をやめることができませんでした。

そこで、今回は単に健康な人にお金を渡しているのではなく、やむを得ない事情があることを裁判所に報告しました。

本事例の結末

結論として、約1000万円の債務について免責許可決定が出ました。

元妻の方への経済的な援助については、数十万円を財団組入れ(裁判所に支払うこと)することで、終わりました。

本事例に学ぶこと

本来であれば許容できないことについても、やむを得ない事情を説明することでその全てについての責任を追及されないケースもありえます。

もっとも、原則的には本件のようなことは認められないことから、やるべきではありません。

ですが、そういった中でもできることを行うことで、最小限の不利益で手続きを進めることも可能な場合があります。

債務整理は、その方のご状況によって対応が千差万別です。

少しでも良い解決を探るために、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

弁護士 申 景秀
弁護士 遠藤 吏恭