紛争の内容
ご相談者は、個人事業主(特に什器備品はなし)の形で仕事をしていた傍ら、借金をして経費を支払ったり生活費を補ったりしておりました。

個人事業主とはいっても、事実上、同じ会社から仕事をいただいており、実質的に雇用に近いような業態でした。

そのような中、「正社員にならないか」ということで、会社に就職し、安定して給与を得るようになります。

もっとも、家族(妻や子)もおり、生活費もギリギリの中、借金は一向に減らず、利息返済で精一杯の状態が続きました。

埒が明かないと考え、法律事務所の扉を叩いたところ、自己破産という方法で免責という効果が得られる可能性があると知り、ただちに依頼をすることにしました。

交渉・調停・訴訟等の経過
自己破産を進めるため、まずは法律事務所と契約を締結し、直ちに、法律事務所から債権者全員に対し、受任通知書を送付委します。

受任通知書において、直接の取立てを禁止し、以降、破産するまで、ご依頼者は、債権者に弁済をせずに家計の立て直しをすることができ、その間、直接の取立てを受ける心配もなくなります(ただし、破産手続開始までの間、強制執行という法的手段を通じて差押を受けるリスクはあります)。

その間に、弁護士費用の支払、家計簿の作成・提出、必要書類の準備を行います。

ある程度、期間的には間がありますので、じっくりと準備に取り組むことができます。

その結果、弁護士費用等も払い終わり、今回は、元個人事業主であったことから破産管財人の予納金を確保しつつ、出来る限りの不備のない申立書をまとめて申立を実施しました。

本事例の結末
今回は、同時廃止(つまり、破産管財人を選任しない手続)により、破産手続の開始・廃止とともに免責許可を受けることができました。

本事例に学ぶこと
破産事件の多くは、浪費等の免責不許可事由に該当することもあり、また、個人事業主の場合には破産管財人による調査を必須とされることも少なくありませんが、今回は、過不足なく報告ができましたので、破産管財人の手続を免れることができました。破産管財人が選任されると、追加で20万円を裁判所に予納しなければなりませんでしたので、この差は大きいです。

自己破産や債務整理についてお悩みの方は、ぜひお気軽に弊所までご相談ください。

相談料は、無料です。

着手金は、1万円(税別)から可能で、分割払いも承ります。

弁護士 時田 剛志