依頼者は病気を患って働くことができなくなり、収入がなくなってしまいました。
その一方で医療費が多くかかるようになり、またストレスなどから多く買い物をするなどの浪費もあり、その結果借金をするようになりました。
夫は会社員で安定的な収入はありましたが、夫も体調が悪く、自らの医療費の支出がかさみ生活費補てんのため借金をすりょうになっていました。
そこで、依頼者は夫とともに、自己破産の申立てを行うことになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
夫婦同時に破産の申立てを行いました。
夫側には幾ばくか財産があったため、夫側の手続には破産管財人が選任されて手続が進行していきました。
一方で、妻である依頼者については、特に夫側からの財産流入等がなければ同時廃止(破産管財人を選任しない形での手続)で進めていくことを求め、裁判所もそのとおり進めていくことになりました。
本事例の結末
上記の結果、妻の破産手続については、破産管財人が選任されることなく手続が完了しました。
本事例に学ぶこと
破産手続の申立後の流れとしては、破産管財人が選任されるケースと選任されないケースとがあります。
管財人が介入することで、管財人による調査、換価等が行われますので、手続自体変わることはもちろんですが、一番大きい違いは、管財人の費用として20万円(裁判所によって多少異なる場合があります。また夫婦双方に管財人が選任される場合は、金額が下がる可能性があります)が必要となる点です。
今回は、少なくとも妻側の手続において、管財人が選任されなかったそのため、その分管財費用をかけずに手続を終えることができました。
ご夫婦でお悩みの場合も、まずは一度弁護士に相談いただければと思います。
弁護士 小野塚 直毅