紛争の内容
依頼者の方は、若い時から借り入れをしていましたが、なんとか返済ができていました。
途中、事業に失敗したこともありましたが、過払い金などによって、負債を解消することができていました。
しかしながら、高齢になり、肺の病気を抱えるようになりました。
それにより、入院や治療でお金がかかる一方で、仕事で無理をすることができず、収入も減ってしまいました。
さらに、新型コロナウイルスの感染流行により、肺の持病を抱えていた依頼者の方は、もともと咳が出やすかったため、外出することすら難しくなってしまいました。
その結果、年金だけでは生活をすることは困難になり、負債は徐々に増大しました。
最終的に、負債は約１５０万円にまで膨らんでしまい、弁済が困難になったため、当事務所に自己破産の申立てを依頼されました。
交渉・調停・訴訟等の経過
債権者は３社、債権総額は約１５０万円でした。
本件では、病気により負債が増えてしまったのであり、ギャンブルや浪費といった免責不許可事由はありませんでした。
また、新たに生活保護を受給することになり、収支の改善が見込まれました。
管財費用の工面も困難でした。
それらの事情から、本件では、同時廃止事件として裁判所に申し立てました。
本事例の結末
本件は、同時廃止事件として処理されることになりました。
その後も問題は発生せず、最終的に免責が許可されました。
本事例に学ぶこと
依頼者の方は、経済的更生への意欲が強く、毎月家計簿を正確に作成し、書類の準備等もすみやかにおこなっていただけました。
そのため、特段の問題も発生せず、無事に免責が認められました。
弁護士 赤木 誠治
