紛争の内容
ご依頼者様は、タブレットを複数台契約し、自動車を短期間で買い替えるために、およそ10社の債権者から約400万円の借入をされました。
ご自身の収入や財産では借りれの返済が困難となったため、自己破産のご依頼をいただきました。

交渉・調停・訴訟等の経過
自己破産申立のために各種資料を整え、自己破産申立てを行いました。
本件は、管財手続となり、破産管財人が選任されました。
特に、複数のタブレットを契約したことや自動車を短期間で買い替えたことが免責不許可事由である浪費行為に当たる可能性があったため、それらの事情について詳細に裁判所及び破産管財人へ報告し、ご本人の財産状況等からしても浪費ではないということを主張しました。
破産管財人との面談でもこれらについて質問がなされましたので、ご本人からありのまま(好奇心からこのようなことをしてしまったこと)を回答していただきました。

本事例の結末
破産管財人から、複数のタブレットを契約したことや自動車の短期間での買替は、浪費にあたり得るが、ご本人の収入状況や割賦販売であったこと、自動車については前車を下取りにしたことなどを考慮し、浪費行為には当たらないという意見が出されました。
これを受けて、裁判所から、無事、免責許可決定が出されました。

本事例に学ぶこと
自己破産において免責不許可事由にあたり得る事由がある場合でも、それらの事情を詳細かつ丁寧に裁判所や破産管財人へ報告し、免責不許可事由にあたらない方向の意見を述べることで、免責許可決定を得ることができることを学びました。

弁護士 権田健一郎