事案の内容
ご依頼者様は仕事をされていましたが、激務のため精神的疲労が溜まり、段々と出勤が少なくなってしまいました。
出勤減により収入が減少したため、生活費等を賄うために、複数の債権者から借り入れを重ね、債務額が増加し、ご自身の財産状態では返済が困難となってしまい、自己破産申立を当事務所に依頼されました。
事案の経過(交渉・調停・訴訟など)
債務額が200万円ほどであり、ご自身は働かれて比較的安定した収入があったため、裁判所から個人再生を進められる可能性も考えられました。
ただ、ご本人は精神面の健康状態が芳しくなく、将来も現在のように働ける自信がないということで、自己破産を希望されていました。
そのため、弁護士から裁判所に対し、ご本人の精神的な問題から、将来的にも今と同じように働けることが確実ではないということを説明し、自己破産手続を進めてもらえるように上申しました。
裁判所にはこの事情を考慮していただき、無事に破産手続が開始されました。破産手続としては、同時廃止手続となり、債務者審尋期日(裁判所で債務者から話を聞く手続)が開かれることになりました。
債務者審尋期日では、ご本人の精神的な問題を裁判官に対してありのままの形で話していただき、弁護士からも補足で説明を行いました。
本事例の結末
当方から提出した上申書やご本人のお話を裁判所によく検討していただき、無事、免責許可決定(債務を免除する旨の決定)が出されました。
本事例に学ぶこと
債務額が少なく、現在の生活状況なら返済していける可能性があるケースでも、将来的に働ける可能性が確実ではないという事情を詳細かつ丁寧に裁判所にお伝えすれば、破産手続開始となり、免責されることを学びました。