依頼内容

若いころに借入れをしたが、支払えない状態のまま次第に督促もなくなったので、長いこと放置してしまった、その後、いずれかのタイミングで債権譲受会社から訴訟を起こされていたようで預金口座の差押えがなされた、いよいよ処理を考えなければと思い相談にきた、というご相談でした。
いずれも時効期間を経過している借入れでしたが、数社について判決がとられていたため、自己破産手続申立ての代理人として受任しました。

負債状況

6社、200万円弱

資産状況

定職について家族もあるが、めぼしい資産はなし。

方針・事件処理の結果

一部の債権者について判決がとられているため、時効援用の意思表示による解決はできない状態でした。
申立書には当時の借り入れ状況について詳細に記載をするとともに、現在は負債の返済をしないという前提で収入の範囲内での生活ができているということを示しました。
申立てにあたり裁判所から数点の質問はありましたが、その回答を行ったところ、破産管財人の選任されない同時廃止事件としての処理となりました。
その後、無事に免責許可決定が下され、事件終了となりました。

本事例に学ぶこと

過去の負債を放置してしまっているというケースは珍しくありません。
それについて債権者が何の対応も取っていなければ時効期間経過後に時効援用の意思表示を行うことで解決ができるのですが、時効期間経過前に債権者が裁判等を起こし判決等の債務名義を得ている場合も相当程度あります。
判決等がある場合、時効が完成せずに支払義務が継続するということになりますので、自己破産等の手続をとることが必要になります。
負債を放置するにしても最低限、裁判所からの手紙は見逃さないようにしてください。

弁護士 吉田竜二