紛争の内容
会社は、創業40年超の金型メーカーでした。平成20年頃までは順調に事業を行ってきましたが、リーマンショックをきっかけに業績が下がりました。その後いったんは持ち直しましたが、物価・人件費の安い中国の企業に仕事が流れてしまったりした他、東日本大震災などの自然災害の影響やパチンコ台に対する規制が強化された影響で金型業界全体の景気が悪化して新規受注が難しくなり、最終的に手形の不渡りを出してしまい、破産を決意するに至りました。
交渉・調停・訴訟などの経過
会社の負債の総額は約2億6000万円程度でした。会社代表者も、会社債務の保証人になっていた他、事業用資金の借入も行っていたため、約2億5000万円程度の負債総額となり、法人とともに破産を申し立てることになりました。
特徴的な点としては、自社工場であったため立退きの必要は無かったのですが、工場内で保管していた預り金型の返還が必要でしたので、その対応を致しました。
また、取引先に外国企業があったため、英語の文面でやりとりをして債務額の調査を致しました。
代表者個人については、自宅不動産があったため、住居の確保という問題がありました。
本事例の結末
法人・個人ともに無事に破産手続を終了することができました(代表者個人は免責許可も得ることができました。)。
会社については、自社工場(建物・敷地)や機械・工具類があったため、管財人において換価し、簡易配当が行われました。
代表者個人については、管財人のもと、自宅不動産を親族に購入してもらうことで、住居を確保することができました。
本事例に学ぶこと
会社の倒産は、会社代表者・従業員のみならず、その家族・親族や、取引先・借入先など、多くの人に影響を与えます。そのため、いかに正確に、スピーディーに、誠意をもって、対応できるかが重要になります。
破産申立てをご依頼頂いた後については、弁護士から細かく様々なことをお願いいたしますので、それに従って頂ければ問題ございません。
しかし、弁護士にご依頼頂く前については、会社代表者の方の下準備とご決断が重要になります。
関係者の方のご負担をなるべく少なくするため、各帳簿やデータは正確なものを残して頂き、会社の体力(資金)がゼロになる前に、どうぞ弁護士までご相談下さい。事案に合った段取りをお伝え致します。