ご依頼の内容
依頼者の方は、約40年前にクレジットカードを作り、立替払いの利用や借り入れをするようになりました。
その後、しばらくの間は負債が増えることはありませんでした。
しかし、住宅の購入に伴う住宅ローンの負担や、転職による収入減、離婚などにより、急速に負債が増えてしまいました。
約15年前からは、なんとかやりくりして生活するものの、借り入れの返済ができる状況にはなく、一方で、どのように対処すればよいのかわからなかったため、長期間にわたり借り入れを放置していました。
今回、一身上の出来事を機に、債務をきちんと整理しようということで、当事務所にご依頼されました。
本事例の結末
本件では、負債が長期間にわたり放置されていたことから、時効援用の通知を送付した債権者もありましたが、債務名義を取得しているところもあったため、自己破産の手続きを選択しました。
なお、依頼者の方は、管財費用を用意することが難しい状況でした。
そのため、申立代理人において債権調査を尽くしたことや、家計の状況を説明した上申書を作成し、申立時に裁判所に提出しました。
結果、本件は同時廃止事件として手続きが進められ、免責も許可されました。
本事例に学ぶこと
依頼者の方は、明確に免責不許可に該当するような事情はありませんでしたが、負債を長年放置していたことが裁判所にどのように評価されるのか不透明でした。
そのため、念のために手続きに関する上申書を提出し、結果、無事に同時廃止事件となりました。
弁護士 赤木 誠治