事案の概要

親の介護のために退職を余儀なくされた結果、前婚時の住宅ローン残債の支払いが困難となったとして破産手続申立てがされた事案について、破産管財人に選任されました。

主な管財業務の内容

債権者数は少なく、本人の財産も多くないというケースでしたが、退職以前に親族に200万円を貸し付け返済を受けていないとの報告がなされていたため、その回収が可能か検討しました。
本人から親族に前もって連絡をしてもらった上で親族と交渉した結果、何とか用意するとのことであり程なくして全額を回収することができました。
貸付金を回収したことで債権者に配当が可能な財団が形成されたため、債権調査を行った上で債権者に対して配当(負債の10%未満)を実施しました。
免責調査では特段の免責不許可事由は見当たりませんでした。

本事例の結末

債権者への配当終了後に破産手続は終了となりました。
免責手続きについては、破産管財人の意見を踏まえ、裁判所から免責許可決定がなされました。

本事例に学ぶこと

破産手続で問題となる財産には現金や預金等のほか、第三者に対する債権(お金を請求する権利)が含まれます。
現時点では手元になくとも返済をしてもらうべきものについては破産管財人が回収し、配当可能な財団が形成された場合には債権者に対する配当手続に移行します。