裁判所から、個人事業で失敗をしてしまいかつFX取引により債務を増やしてしまった破産者について、破産管財人選任の打診を受けました。
そこで、免責調査型（破産者が弁済不能になってしまった状況・破産手続開始後の生活状況から免責決定しても良いか調査すること）での管財業務を行うことになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
まずは、破産者代理人から提出された申立書の内容を精査しました。
その上で、破産者と面談を行い、破産者自身から破産に至った内容を説明してもらったり、不明な箇所を聞き取ったりして、問題点を把握していきました。
破産者は真摯に反省しており協力的な態度であったこと、FXを行ったといっても金額が多くはないこと・レバレッジのかけ方にばくちの要素がなかったこと、と言う点で、免責不許可事由はあるものの裁判所の裁量で免責決定を出してもらうことが相当を考え、その旨の意見書を作成しました。
本事例の結末
裁判所は、管財人の意見を重視し、免責決定を出すに至りました。
本事例に学ぶこと
ギャンブル・投資、と一言でいっても、その内容は千差万別です。
普段から破産手続申立代理人としての活動も数多く行うことで、FXの内容を深く理解していたため、適切な管財業務を遂行することができたものと自負しています。
弁護士 平栗 丈嗣
