紛争の内容
破産者が、破産手続の申立代理人弁護士に対して債務整理を依頼した後に、親族の方へ返済をしているという事件がありました。
交渉・調停・訴訟などの経過
他の債権者の方へ負債が返済できない時に、債務者が特定の債権者にのみ借金を返済し、さらに、返済を受けた債権者が、債務者が他の債権者へ借金の返済ができないことを知っていた場合は、破産管財人はその返済を取り消し、返済を受けた債権者に対して、お金を返すように請求できます。このような返済は他の債権者にとって不公平であるためです。また、破産法の規定により、返済を受けた人物が債務者の親族であった場合は、その親族は債務者が他の債権者に対して借金の返済ができないことについて知っていたものと推定されます。
そのため、これらを根拠に、破産管財人として、債務者に対して、返済を取り消すことが出来る旨を通知し、親族から破産管財人の元にお金を返してもらうように要求しました。
本事例の結末
債務者の親族から破産管財人の元へお金を返還してもらうことが出来ました。
本事例に学ぶこと
破産法に従って不公平な返済を取り消す権限を根拠に、返済金を取り戻す方法を学びました。
弁護士 村本拓哉