紛争の内容

弊所の弁護士は、さいたま地方裁判所からの依頼により、破産者の破産管財人に就任しました。破産管財人として調査を求められたのは、免責不許可事由の該当性の判断が中心でした。
免責不許可事由の典型例は、【浪費】や【賭博】(ギャンブル)です。
浪費や賭博で借金を増やしてしまった方は、具体的な使途、金額、家計の余剰、負債全体との割合等により判断します。例えば、借入を繰り返しながらも、居酒屋やキャバクラ等で少なくない金銭を費消していたり、競馬等のギャンブルに費消していたりすると、浪費や賭博であると考えられ、免責不許可事由に当たります。

交渉・調停・訴訟などの経過

破産管財人としては、破産者と対面面談を実施いたします。
破産者に申立代理人の弁護士が付いていれば、その先生にも同席していただきます。
本件は、免責調査が中心でしたので、これまで(過去)の借入やその使途、現在の状況、未来に向けた意気込み等を聴き取り、①免責不許可事由があるかどうか、②①があるという場合には裁量免責(免責不許可事由があることを前提に、それでも免責を認めてあげることを裁量免責といいます。裁量というのは、裁判官の裁量です。裁判官の裁量に影響を及ぼすのが、破産管財人の意見です。)が相当かどうかという判断をします。ただ、この判断を即時にするのではなく、破産管財人でいる間(1回目の債権者集会まで3ヵ月くらいあります)には、転送郵便物をチェックして、隠匿財産がないかを確認したり、家計簿の提出をしてもらい家計状況を細かくチェックしたりして、総合的に裁量免責の有無を判断していきます。

本事例の結末

第一回目の債権者集会期日にて、財産目録及び収支計算書を報告し、破産手続は、異時廃止(異時廃止とは、破産管財人が選任され、破産手続開始決定とは異なる時期に同手続が廃止されること)となりました。
その上で、免責審尋期日がそのまま行われ、破産管財人として免責に関する意見を述べました。今回の事案では、裁量免責を相当とする意見を付しました。
その結果、裁判官も今回は裁量免責とする旨を述べ、終結しました。

本事例に学ぶこと

免責不許可事由に該当する方は少なくはありません。
そのような方でも裁量免責により、免責の効果が得られる可能性があります。
裁量免責を得る上で重要なことは、過去の事実は変えられませんので、破産を決断した現在・そして未来に向けて、どう反省・更生していくかということです。
経済的に失敗したことは事実として変えられませんので、その後、いかに事実と向き合い、反省・更生を深めていくことは、長年様々な事案・人を見てきた裁判官や破産管財人の目にも映るものと思います。もし不誠実な対応をしていると、裁量免責の余地がなくなることもありますので、注意が必要です。

弊所は、裁量免責を目指す方の破産事件についても、本気で経済的更生を考え、問題と正面から向き合っておられる方でしたら、喜んで事件をお受けしております。
破産申立経験、管財人経験の豊富な弁護士をお探しの方は、グリーンリーフ法律事務所までお問合せ下さい。

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弁護士 時田剛志