こんにちは。弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の弁護士 渡邉千晃です。
借金がたくさんあって返済に困っている場合には、個人再生の手続きにより債務整理をするという方法があります。
もっとも、裁判所へ個人再生の申立てを行えば、必ず裁判所がこれを認めてくれるというものでもなく、申立てまでに様々な準備を行う必要があります。
その準備の中では、当然、やってはいけないことがあり、それをやってしまうと、個人再生の申立てが認められないという結果にもなりかねません。
そこで、この記事では、個人再生の手続の中で絶対にやってはいけないことをわかりやすく解説していきます。
個人再生の手続きの中でやってはいけないこと
虚偽の説明
裁判所へ個人再生を申立てる際には、債権者名や残債務額、借り入れの目的、自身の財産状況などを記載することとなっています。
そこで、債権者数を少なく申告したり、財産を隠す意図で虚偽の報告をすると、誠実に対応していないということから、個人再生の申立てが認められないおそれがあります。
また、個人再生の手続き中には、裁判所より追加で報告を求められることが多々あります。
そのような追加指示に対して、虚偽の説明をしてしまうと、個人再生の手続きを打ち切られてしまうおそれもあります。
当然、裁判所に対してだけではなく、個人再生の申立てを依頼する弁護士に対しても、虚偽の報告をしてはいけません。そのような虚偽報告の事実が判明した場合には、弁護士が代理人を辞任するということにもなりかねません。
したがって、個人再生の手続きにおいて、虚偽の説明をすることは、絶対にやってはいけないことと言えます。
履行テストとしての積み立てを怠る
個人再生の手続きを行うと、圧縮された債務額を、原則3年間で返済していくこととなります。
そのような返済計画に無理がないかを裁判所の方で判断するため、個人再生の手続中には、返済予定額と同等の金額を、毎月、積み立てていくことになります。
これを履行テストといい、この履行テストをこなすことが出来なければ、再生計画が認可されないこととなってしまいます。
そのため、個人再生手続中の履行テストを怠ることは、絶対にやってはいけないことと言えるでしょう。
再生計画案を期限内に提出しない
上記のとおり、個人再生の手続きにおいては、裁判所に対して3年間の返済計画案を提出することになっています。
この再生計画案の提出については、裁判所より提出期限が定められることとなりますが、この提出期限を厳守しなければ、個人再生の手続きが廃止されてしまいます。
このように個人再生の手続は、期限厳守となっていますので、期限内に提出ができるように、依頼した弁護士としっかりと連携を取って、手続きに取り組むことが重要だといえます。
特定の債権者への返済
多数の債権者がいる中で、一部の債権者だけに返済をする行為は、絶対にやってはいけません。
一部の債権者に偏った返済をしてしまうことを「偏波弁済」といいますが、債務整理の手続きにおいては、全ての債権者を平等に扱い、誠実に対応をすることが求められます。
例えば、親族から借り入れをしていたため、親族にだけ返済をするということも禁止されます。
新たな借り入れをする
弁護士へ個人再生を依頼した後(及び、弁護士への依頼を検討している段階より後)は、新たな債権者から借り入れを行ってはなりません。
総債権者に対して、不誠実な対応であり、不当な目的があるとみなされてしまうからです。
手続費用を払わない
個人再生の申立てを行う際には、裁判所に対して手続費用(2~3万円程度)を納める必要があり、個人再生委員という中立的な弁護士が選任された場合には、個人再生委員に対しても15万円~20万円程度を納める必要があります。
この費用を納めないと、手続自体を進めることができませんので、手続費用も、期限までにしっかりと納める必要があります。
浪費をする
ギャンブルや株などの投機的取引、パチンコ、キャバクラなどで浪費をしてしまうと、再生計画通りに返済ができるのか疑義が生まれてしまううえ、誠実に対応をしていないと見なされてしまうおそれがあります。
最悪の場合、手続が廃止されてしまう可能性もありますので、収入に見合わない浪費を行うことはやってはいけないことと言えるでしょう。
まとめ
以上、個人再生手続中にやってはいけないことについて、解説していきました。
基本的に、個人再生の手続きに対して誠実に対応を行っていれば問題はありませんが、上記のような不誠実な対応をすると、手続自体が廃止されてしまうおそれもあります。
個人再生の申立てについては、弁護士に依頼をし、弁護士の監督の下でしっかりと家計を立て直していくことが重要と言えます。
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