生活費の支払いに困り、電気代を滞納してしまった場合、電気の供給が停止される可能性があります。このような状況に陥ってしまった場合、どのようにして電気の供給停止を回避できるのかを検討する必要がありますので、その方法について解説いたします。

滞納をするとどのぐらいで電気は止まってしまうのでしょうか。

関東地方にお住まいの方は、東京電力を利用していることが多いと思いますが、電気料金を滞納すると検針日の翌日から数えて50日程度で電気の供給を停止される可能性があるようです。

実際の取り扱いは地域によって異なったりするため、絶対にこうなるということは言えないのですが、やはり電気料金の滞納をしてしまうと、電気の供給は停止されるリスクがあると考えておいた方が良いと思います。

貸付制度

一時的なお金の借り入れができれば、何とかしのげるという場合は、生活福祉資金貸付制度を検討するのが良いと思います。都道府県の社会福祉協議会が資金の貸付けと必要な相談や支援を行う制度です。

失業などの理由で生活に困窮している人が、生活を立て直し、経済的な自立を図ることができるようにするために、生活支援費や一時生活再建費などの「総合支援資金」の貸付けを受けることができます。

生活支援費は、生活を再建するまでの間に必要な生活費として、原則3か月間、月20万円までの貸付けを受けられるというものです(なお、単身世帯の場合は月15万円以内となります)。

一時生活再建費は、家賃や公共料金などの滞納の一時立て替え、債務整理に必要な費用などについて、60万円までの貸付けを受けられるというものです。

貸付利子は連帯保証人がいる場合は無利子、連帯保証人がいない場合は年1.5%になります。

「総合支援資金」の貸付対象者は

総合支援資金の貸付対象となるのは、貸付けを行うことにより自立が見込まれる人で、下記の要件のいずれにも該当する人です。

【貸付要件】
(1)低所得者世帯(市町村民税非課税程度)で、失業や収入の減少などによって生活に困窮していること

(2)公的な書類などで本人確認が可能であること

(3)現在住居のある人、または、住居確保給付金の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること

(4)法に基づく自立相談支援事業などによる支援を受けるとともに、社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から、継続的な支援を受けることに同意していること

(5)社会福祉協議会などが貸付け及び支援を行うことにより、自立した生活を営むことが可能となり、償還を見込めること

(6)他の公的給付または公的な貸付けを受けることができず、生活費をまかなうことができないこと

債務整理

生活費の支払いが難しい理由が、借金であるのであれば、債務整理を検討すべきでしょう。

債務整理には、主に、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。

任意整理は、裁判所を利用せずに直接債権者と、支払いに関する交渉を行う方法です。交渉の結果、将来の利息をカットして、既存の負債を3年から5年で返済するという方法で、債務の返済を債権者が認めてくれることがあります。

個人再生は、裁判所の手続きを利用する方法で、以下の金額にまで債務の額を減額してもらえる制度です。

100万円以上500万円以下の人・・・・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・総額の10分の1

自分が持っている財産の金額が、上記の金額を超える場合は、財産と同じ金額を支払わないといけなかったり、債務総額の過半数を超える金額の債権を有する債権者がいる場合は可処分所得の2年分は返済をしないといけない等のルールはあります。

もっとも、個人再生は債務を減額するために広く利用されている制度です。

自己破産は、裁判所の手続きを利用して借金を全て免除してもらう制度です。99万円分の財産を手元に残して他の財産を手放さなければならなくなる可能性があり、浪費など負債を作った理由いかんによっては借金の免除が認められなくなる可能性のある制度です。

もっとも、借金を全て免除してもらえるという大きなメリットや、借金の免除が認めてもらえないというのがまれであるという理由で、マイホーム等の財産を有していない方等は広く利用している制度です。

まとめ

以上のように電気の供給停止を回避するためにはいろいろな方法がありますので、それぞれについて検討をしてみるのが良いと思います。また、ご自身でご判断することが難しい場合も多々あると思いますので、お困りの場合はぜひ弁護士へご相談頂けますと幸いです。

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 村本 拓哉
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