紛争の内容
葬祭関係の会社に勤務する会社員夫婦が、子らとともに、年間40万円以上を費消するテーマパーク通いなどの遊興を重ねた「浪費についての免責調査型管財事件」
交渉・調停・訴訟などの経過
相談時の債務者の負債総額は、600万円を超えていました。
依頼者には、独身時代の負債があり、10年ほど前の結婚を機に、東京スター銀行での300万円の借り換え(おまとめローン)を利用したとのことでした。
そこで、完済した業者を特定し、履歴の提出を受け、過払い金の返還請求を行い、元金満額以上を回収しました。
負債の原因が、当時の収入に比して過大な遊興支出であったため、浪費型としての管財事件となることは想定済みでした。
訴訟で回収した過払い金を、弁護士費用、管財費用に充てて、その残りは、自由財産拡張申立てをし、裁判所の許可を得ることとしました。
途中、今年のコロナ禍において、手取り収入も減り、生活に困窮するようになった債務者から、預かり過払い金からの生活資金への組入れの打診を受け、相当額を交付しました。
その後、国の施策で、4月27日現在の世帯住民当たり一律10万円の定額給付金の支給がありましたので、自由財産拡張の範囲である99万円を超えることとなりましたが、その超過はそれほど大きくないことを踏まえ、管財人の先生には、これを相当と認めていただき、裁判所からも許可されました。
本事例の結末
99万円を超える額面額の自由財産拡張の許可も得、引き続き免責の許可も出ました。
本事例に学ぶこと
本依頼者は、相当額の過払い金も得て、また、国の特別給付金がありましたので、生活の維持、再建のめどが立ちました。
収入の維持拡大の直接のお手伝いはできかねますが、負債の整理をすることで再出発をしやすくします。