依頼内容

結婚後しばらくして配偶者がギャンブル依存症となり、他方の配偶者に秘して、場合によっては配偶者名義のクレジットカード等からの借入れを行っていた、後日それが判明し、依存症の治療と並行して自宅を任意売却する等で返済を行ってきたが、定年により収入が激減したため、返済がままならなくなった、というご相談でした。
収入が以前の水準に回復する見込みがなかったため、夫婦の自己破産手続申立ての代理人として受任しました。

負債状況

それぞれ、9社300万円弱、4社900万円弱

資産状況

自宅は任意売却済みであり、めぼしい資産はなし。

方針・事件処理の結果

借入れの原因がギャンブルの占める割合が大きいということで破産管財人が選任される手続となりました。
破産管財人との面談では、当時の借り入れ状況や現在の財産の状態、生活をする上での収支のバランス等について具体的な説明を行いました。
事案の性質上、破産管財人は免責意見において浪費の免責不許可事由があるとしましたが、現在はギャンブルから離れて生活をしていること、生活の収支が保たれていること等から結論的には裁量免責が相当であると述べました。
その後、夫婦それぞれについて無事に免責許可決定が下され、事件終了となりました。

本事例に学ぶこと

夫婦の一方の浪費的性向により他方が知らぬ間に借金が膨らみ、結果として夫婦のいずれもが破産手続を選択せざるを得ないということがあり得ます。
これについては限界がありますが、日頃から夫婦それぞれが互いに変わったことがないかの確認や家計状況についての話合いを行うことで回避できる場合もあるかと思います。

弁護士 吉田 竜二