紛争の内容
北陸地方に、住宅ローン付き一戸建ての所有名義人の、さいたま地裁での破産申立事件。
交渉・調停・訴訟などの経過
①(離婚に際しての条件)夫名義の一戸建て建物は、妻と子らが使用するものとし、但し、夫名義のローンは、妻が夫名義の預金口座に入金するものと合意した。
②(相談・受任の契機)北陸地方の裁判所より、同住宅に、担保物競売開始決定と執行官からの連絡文があり、元妻が元夫に連絡した。元夫は、当事務所の債務整理電話相談宛に電話をかけ、担当の当職に相談、その後来所相談を経て、今後の対応を含めて、相談を受け、受任に至った。
③ 依頼者から元妻に連絡を取ってもらい、同開始決定外書類一式を入手し、執行官に連絡をし、居住者である元妻に、今後の対応のアドバイスをした。
④ 元夫婦の二男が、取得希望があるとのことで、その相談を受けた。競売手続き申立債権者に打診するようアドバイス。また、競売による入札による取得の可能性も説明した。
⑤ 依頼者の、その他の負債の債務整理として、破産申立て準備を並行して進めた。
⑥ 破産申立て直前に、執行裁判所より配当期日の通知があった。
⑦ 同時廃止事件処理相当として申立てをする。
⑧ 裁判所より、執行事件の配当表の追加を指示され、依頼者から執行裁判所宛に委任状を取得し、配当表の写しを得、破産裁判所に提出した。
⑨ 同時廃止による破産手続開始。
本事例の結末
同時廃止事件として処理された。、競売手続きでの買受人も現れ、管財事件を免れ、依頼者は費用負担の軽減ができた。
めでたく、免責許可。
本事例に学ぶこと
① 離婚後、相当期間経過後の、元妻らの居住不動産の、居住者の責任による、ローン不払い、担保権実行であったため、居住者らの不満が、債務者依頼者に向かうことはなかった。地元金融機関口座通帳の送付など協力を得られた。
② 債務者名義不動産が、遠隔地にあっても、債務者住所地での破産申立になるため、資料の準備に手間がかかるが、協力者がいると大変助かる。
③ 円滑な破産も牛田のため、今回の元妻ら等とも、代理人が連絡を取ることは不可欠な場合があり、それをいとわず、対応するのが肝要。
弁護士 榎本誉