紛争の内容
専業主婦の方(30代)からのご相談で、100万円ほどの借金がありました。配偶者は働いておりますが、この方は持病の影響もあり働けず、また家計状況にも余剰はありませんでした。債務総額は多額とは言えませんでしたが、今後、就業をしながら返済を続けていく見通しも立ちませんでしたので、相談者の希望から破産手続を進めることとなりました。
交渉・調停・訴訟などの経過
弁護士としては、受任通知を債権者各位に送付し、取り立ての禁止と取引履歴の送付を依頼し、1か月程度でかかる取引履歴を集めました。その間、相談者には、毎日、家計簿を付けてもらいつつ、破産申し立てに必要となる書類を集めてもらいました。
書類が整いましたので、破産申立てを行いました。
弊所では、破産申立ての完成度がその後の手続の円滑性に直結することを踏まえ、細かい疑問点等を踏まえて注意深く聞き取りや資料集めをしております。後述のとおり、このことが非常に重要であり、書類審査に大きな影響を及ぼします。
本事例の結末
書類が整いましたので、弊所から破産を申し立てました。
裁判所における書類審査の上で、申立内容や書類の準備状況がとても重要です。
なぜなら、おろそかな内容ですと、破産管財人が選任されるリスクが高くなり、その結果、20万円以上の管財予納金が追加発生しますし、裁判所の面接にも呼ばれ、また、債権者集会が行われ、出頭する回数も増えるからです。
本件は、書類上の不備や疑問点がありませんでしたので、書類審査が通り、結果として、同時廃止(破産手続を開始するとともに同手続を廃止し、とくに財産を換価するなど財産をはく奪されるという影響が生じないこと)となり、その後、免責許可決定が出されました。
本事例に学ぶこと
破産申立ては、依頼者の方の経済的更生に向けた努力(家計簿作成、収支の安定、書類準備等)と代理人弁護士の専門性(申立時の確認、報告書の作成等)との共同作業です。我々は仕事として職務を執り行いますので手は抜きません。依頼者の方には、過去(借入れをする生活や破産しなければならなくなってしまった状況)や現在(経済的に再建するためにお金をやりくりする努力をしていただくこと)にしっかりと向き合っていただき、真摯な対応をしていただければ、破産手続はスムーズに進みます。いずれか一方が崩れると上手くいきません。
弊所は、破産申立経験、管財人経験が豊富です。
そのため、破産に詳しい弁護士をお探しの方は、グリーンリーフ法律事務所までお問合せ下さい。
自己破産に関してのことならお気軽にお問い合わせください。
弁護士時田剛志