2回目以降の債務整理解決事例

二度目の破産で、約1200万円の借金を0円にした(免責)事案

紛争の内容

相談者の方は、二度目の破産でした。一度目の破産は、約15年前です。その時は、家族経営のお店がうまくいかず、破産を免れるために家族が借金をして、それでもうまくいかずやむを得ずに破産をしたという経緯でした。

今回は、配偶者との離婚を機に、子どもを育てるために学費その他の生活費、持病の治療のために借金をしていき、利息が増え、返せなくなってしまい、気付いたときには、1200万円もの借金に膨れ上がっておりました(ただし、このうち、数百万円は保証債務が含まれます)。

それだけ借金ができたのは、本人が正社員として働いていたことや、コツコツと返していたこともあります。

当初は、任意整理を司法書士に依頼していたが、思うように進まず、弊所に相談し、債務の金額からして任意整理は極めて困難(もしくはメリットも乏しい)ため、二度目の自己破産を選択しました。

交渉・調停・訴訟等の経過

破産手続が二度目であることから、裁判所からはより厳しい目で見られることを想定し、家計簿の管理や必要書類の準備等、丁寧に指導をさせていただきました。
依頼者も、真面目に手続に向き合ってもらえましたので、申立書類はほぼ完ぺきといえるほどに仕上がりました。
申立ての際には、「同時廃止」が相当であるという意見を付して、破産を申し立てました。

本事例の結末

裁判所から多少の質問事項が届きましたが、丁寧に回答し、結果、「同時廃止」で破産手続が終了しました。
これにより、破産管財人の選任と費用(20万円)の支払をせず、また、裁判所に赴くこともなく、破産手続が終わりました。
そのうえ、間もなく免責許可決定が裁判所により決定され、一連の手続が終了しました。

本事例に学ぶこと

今回は一度目の破産がやむに已まれぬものであったこと、二度目の破産も浪費、ギャンブルなどの類はなく、申立内容に不備がなかったことから、依頼者にとってもメリットのある同時破産という結果を受けることができました。

弊所の弁護士は、破産管財人に選任されるなど、裁判所から一定の信頼も寄せられております。
司法書士は書類作成の代理しかできず破産管財人が選任されることが多いので、かえって費用と時間がかかる場合も多いです。そのため、弁護士に依頼をすることをお勧めします。

また、東京や埼玉県内の他の地域の弁護士は、そもそも「さいたま地方裁判所」の書式を用いていない(必要な情報が不足する)こと、各地の裁判所により運用が異なることなどから、ほとんどが破産管財事件に割り振られるということもあるそうです。

特に、破産事件や個人再生の事件を依頼する場合には、弁護士の所在は、債務者の方の破産手続を進める地方裁判所と同じエリアにあることが望ましいです。
さいたま市周辺の方からのご相談をお待ちしております。

弁護士 時田 剛志

2度目の破産申立てをした人の免責が許可された事例

事案の内容

弁護士が裁判所から破産管財人に選任された事例です。
破産者は一度、破産による免責許可決定を受けている立場にありながら、十分な現金がないにもかかわらず、交際相手の女性との飲食代や旅行代の支払のためにカードを利用し、自身の仕事が減ってからも、そのような生活を改めることのないままカードの利用を続けて負債を作っていました。
また、その後、負債の解消をすることができず、生活費と返済のためにカードを利用しての自転車操業状態になりました。
このような破産者の債務の免責を許可して良いかについて検討しました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)

破産者には、破産法第252条第1項第4号の免責不許可事由(浪費)が存在しました。
しかし、破産者は、家計簿をつけて貯蓄をする様子が見られ、また、破産管財人の質問に対して、親族からお金を借りている事実や親族に金銭を預けていることを正直に回答し、誠実な説明を行う態度が見られました。
そして、破産者は収入に乏しいながら、1000万円を超える負債を有しているため、破産による免責を許可して経済的な再出発を図る必要性がある。

本事例の結末

以上の事情に鑑み、破産法第252条第2項に従い、破産者の裁量免責を認めることが相当であるという意見を裁判所に提出し、裁判所が免責を許可しました。

本事例に学ぶこと

2度目の破産であっても、破産申し立て後の生活状況や破産管財人の調査に対して誠実に協力する様子を考慮して、免責を認める意見を提出することを学びました。

弁護士 村本 拓哉

二度目の破産手続申立事件について、再度の免責許可決定を得たケース

依頼内容

20年程前に一度自己破産をして免責許可決定を得たが、収入が不安定な配偶者を抱えて生活をする中で生活費が不足し、徐々に借入れが膨らんでいった、何とか返済を継続しようと考えていたが利息が増え続け返済がままならなくなったとのご相談でした。

借入れの原因に浪費的な側面はなく、初回の破産手続終了から相当程度の時間が経過していたため、二度目の破産手続申立ての代理人として受任しました。

負債状況

1200万円程度(うち900万円は子らの奨学金の保証部分)

資産状況

めぼしい財産なし

方針・事件処理の結果

奨学金の保証人部分の金額は大きかったものの、自ら行った借入れは生活費の補填が主であり、初回の破産手続申立てから20年程度が経過していたこと等の事情から二度目ではありましたが自己破産手続を選択しました。

二度目の破産手続申立てということで破産管財人が選任される手続となり、開始決定後、破産管財人との面談を行いました。現在の配偶者の収入状況等の確認がなされ、今後、家計が破綻することはないかについて厳しいチェックを受けました。

多くない手元の資産について追って自由財産拡張の処理がなされました。

結果として、破産手続については換価可能な財産が見当たらないとして異時廃止となり、免責手続については破産管財人から免責不許可事由は存在しないとの意見が提出され、後日、裁判所から再度の免責許可決定が下されました。

本事例に学ぶこと

過去に破産歴がある場合、近いタイミングで再度、破産手続の申立てを行うと免責不許可事由があるものとして扱われ、免責が認められないということになりますが、初回の破産手続から数十年が経過している場合には再度の免責が得られる場合があります。

過去に破産歴があることで債務整理を躊躇するということがあるかもしれませんが、裁判所の手続が利用できないというわけではありませんので、お悩みの方は是非一度ご相談いただければ幸いです。

弁護士 吉田 竜二

2度目の自己破産手続であるにもかかわらず同時廃止(破産管財人が就かない破産手続)とすることができた事例

事案の内容

依頼者は、過去に自己破産をしたことがありました。新型コロナウイルス感染症拡大により、配偶者の収入が激減し、生活費を借り入れることで生活をしながらも限界を迎え、弊所に自己破産の依頼をするに至りました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)

依頼者は、慣れないながらも、協力的に家計簿を作成したり、書類の収集をしていただけたり、順調に手続の準備をしていくことができました。

しかし、申立てが近くなってから、弁護士に黙って、銀行口座を開設していたり、自身が破産手続を取るにもかかわらず身内に経済的援助をしていたり、という事実が明らかになりました。

幸いにも、依頼者は後ろめたさを感じながらも弁護士に打ち明けてくれたため、申立前に全ての事情が明らかになりました。そこで、詳細な事実関係を聴き取り、申立書とは別に詳細な報告書を作成しました。

さらに、依頼者からこれまでの詳細な流れを聴き取り、依頼者が浪費など不適切な事情により借金をして返済が不可能となってしまったわけではないことを、申立書とは別に詳細な上申書で報告することとしました。

もっとも、依頼者は2回目の破産手続を取ることになり、管財事件となる可能性が濃厚でした。しかし、諦めることなく、上記のとおり詳細な報告書・同時廃止手続とすることが相当と考える上申書を作成して、裁判所に破産手続開始申立を行いました。

本事例の結末

2度目の破産であったにもかかわらず、同時廃止となり、破産管財人に対する予納金20万円を支払うことを免れ、債権者集会に出頭することも免れ、最終的に免責決定を得るに至りました。

本事例に学ぶこと

管財見込みの事案であっても、詳細に丁寧に誠実に裁判所に対して情報提供をすれば、裁判所は破産管財人の調査を絶対不可欠とまでは考えません。

時間をかけて詳細に聴き取り、丁寧に密度の高い報告書を作成することは労力を要しますが、本件のように同時廃止とすることが認められた場合には、努力した甲斐があるところです。

あまり期待することは良くないですが、諦めることなく申立ての努力をすることで、努力が奏功して管財事案が同時廃止事案へと変貌を遂げることがあることを改めて実感した事案です。

弁護士 平栗 丈嗣

2度目の破産申立にて、無事免責許可決定を得られたケース

事案の内容

会社員として働いていた女性Aさんは、夫との間に二人の子がいます。
平成14年に当時趣味のテニスや、旅行の費用捻出のために借金をし過ぎてしまったせいで破産をしていました。

その後15年ほどが経過してから、またカードを作れるようになり、自分のためにブランドバッグなどを買うようになりました。

また子が中学・高校にそれぞれ進学したために教育費が一度にかかってしまい、さらに夫がうつ病になってしまったために一気にAさんが生活費を捻出しなければならなくなってしまったことから、カード利用分などの返済ができなくなってしまいました。

結局Aさんの借入は500万円以上になってしまっていたので、やむなく2度目とはなりますが、破産をすることになりました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)

Aさんは2度目の破産、しかもブランド品の購入など浪費もあったため、管財人が選任されることになりました。

本事例の結末

Aさんは破産に至る経緯にも問題があり、会社員として長年勤めていたために退職金も相当額になったので、管財人からの免責不許可事由や配当の可否などをチェックされました。

しかし、免責不許可事由として問題となった浪費についても、Aさんに費消行為当時には十分な収入もあり、夫のうつ病という契機で返済ができなくなったに過ぎないこと、財産としても配当できるほどの退職金はなかったことから、異時廃止となり、免責許可決定も出してもらうことができました。

本事例に学ぶこと

2度目の破産は、1度目の破産よりも厳しくチェックされることが予想されますが、それだけで破産できなくなるというわけではありません。

再度返済ができなくなった経緯を丁寧に見直すことで、2度目の免責許可決定が得られるケースもあると感じました。

弁護士 相川 一ゑ
弁護士 木村 綾菜

2度目の自己破産を申し立て、管財事件となったものの、裁量免責が認められた事例

ご依頼の内容

依頼者の方は、約10年前にも1回目の自己破産の申立てを行い、免責が許可されました。
前回の負債増大の理由は、家族の借金の肩代わりをしたことや、ギャンブルが原因でした。

1回目の破産手続では免責が許可され、その後、しばらくの間は堅実に生活をしていました。

しかし、身内の不幸があったこと等をきっかけに精神的に不安定になり、再びギャンブル等に手を出してしまい、大きな負債を抱えてしまいました。

本事例の経緯・結末

本件では、二度目の負債であり、かつ、免責不許可事由もあったことから、破産管財人が選任され、慎重な判断がなされました。
依頼者本人には、再度同じ事態に陥ってしまったことについて、内省を促しました。

依頼者の方は、もう二度とギャンブルには手を出さないことや、もしまた行きたくなるようなことがあればギャンブル依存症の支援団体に行くことを約束しました。

また、弁護士が管財人の面談に同行するとともに、家計簿の提出等を指導し、管財人の調査に協力しました。

債権者集会が1度行われた後、裁判所により免責が許可されました。

本事例に学ぶこと

依頼者の方は、過去に一度自己破産をしたことがあったことや、今回も負債の原因にギャンブルがあったこともあり、管財人が選任され、免責について慎重な調査がなされました。

再び同じ間違いをしてしまったことは確かですが、管財人の調査に積極的に協力し、毎月家計簿を作成して生活状況を報告することで、最終的には裁量免責が認められました。

弁護士 赤木 誠治

二度目の破産・免責手続き

紛争の内容

依頼者は、20代前半のころに、実父の経営する自営業の運転資金を用立てるために、多額の負債を抱え、出身地で破産し、免責の許可を受けていました。

その後、出身地から、関東に出、結婚生活を送り、その生活の中で、再度、多額の負債を抱えるに至りました。

病気になり、就業不能となり、再度、破産手続・免責手続きを利用することになった事案です。

交渉・調停・訴訟などの経過

法テラス埼玉での法律相談を受け、法律扶助を利用しました。
申立て準備を行い、前の破産との間に、婚姻・離婚があるため、旧姓名義での預貯金や、出身地の金融機関口座の調査に手間取りました。

本事例の結末

申立て直前になり、依頼者は、ストーカー被害に遭い、転居を余儀なくされました。
都道府県をまたぐ転居をすることになり、さいたま地裁での申立てを急ぐことになりました。

さいたま地裁に申立後、他県に移動したのですが、裁判所から、転出先住所の表示への配慮を確認されました。
秘匿する方法を模索する必要があるのではないかというものでした。

そこで、依頼者に確認すると、当該ストーカー加害者(債権者に該当しません)は、そもそも依頼者の住所を知らないから、転居先住所を表示してかまわないとの返答を受け、それを受け、裁判所に報告し、通常通りに対応しました。
めでたく、免責も許可されました。

弁護士 榎本 誉

2度目の破産について、裁判所から破産管財人に選任され、破産管財業務を行った事案

紛争の内容

破産者は、過去に破産をしたことから、その後は仕事をして問題なく生活の再建を図っていましたが、病気を患い働くことができなくなってしまったため、生活費として再度借り入れを行なうようになりました。その後も病状は悪化し、返済の目途が立たなくなってしまったため、返済が困難になってきました。そこで破産申立てを行ったところ、裁判所から破産管財人として選任を受けました。

交渉・調停・訴訟などの経過

破産者の転送郵便物の確認を行い、他の債権者等の有無を調査しました。
また、免責調査として、破産者との面談を行い、毎月の家計簿についても確認、指導等を行いました。

本事例の結末

2度目の破産ではあるものの、前回の破産後の事情を踏まえると、今回も免責を不許可にするだけの事由はないと判断し、免責を許可すべき旨裁判所に意見しました。
その結果、無事破産者の免責が許可されました。

本事例に学ぶこと

今回は2度目の破産ということで、裁判所から破産管財人に選任され、破産管財人として手続に関わりました。
破産が2度目となる場合は、このように破産管財人が選任されることが多いですが、破産手続自体が一切できないというわけでもありません。
2度目の破産であっても、諦めずまずは一度ご相談ください。

弁護士 小野塚 直毅

2回目の破産にもかかわらず、破産管財人が就くことを回避し、同時廃止決定を得ることができた事例

紛争の内容

依頼者は、十数年前に一度破産をしていました。免責決定を受け、いったんは落ち着いた生活を取り戻すことができました。

しかし、その後、ライフステージが変化して子どもへの学費が増加していくなか、東日本大震災のよる余波を受けて住居確保に苦慮し、何度も怪我や病気に見舞われてしまい、金融機関からの借入を受けて何とか生活をしてきました。しかし、大病を患い、仕事を失うに至ってしまいました。

そのため、借入金の返済をすることができなくなり、弊所へ破産手続申立ての相談にいらっしゃいました。

交渉・調停・訴訟などの経過

相談にいらっしゃった際、依頼者は仕事を失い、失業手当でどうにか生活をしている状況でした。
このままでは、借入金の返済がなくなっても、家賃の支払いなどの生活をすることすら困難な状況でした。
そのような状況では、仮に破産して免責決定が出ても、結局は破産前同様の生活に戻ってしまうことに繋がり、抜本的な解決には繋がりません。

そこで、家賃の安い物件への引越、家計の見直しをしていただくことで、一応の黒字が出る家計としていただきました。

その後、弁護士費用の分割支払いも終わり、裁判所に破産手続開始の申立てを行いました。

二度目の破産であり、非常に高い確率で破産管財人が就くことになり、予納金として別途20万円を支払うことが強く予想されました。

そこで、申立てにあたり、なぜ依頼者が二度目の破産に至ってしまったのか、現在に至るまでの依頼者の経緯・依頼者が借入金を返済できなくなってしまったやむを得ない事情・申立て準備期間の生活改善による今後の依頼者の生活の見通し等、丁寧に厚く論じた大部の上申書を裁判所に提出し、破産管財事件とせずに同時廃止決定を得られるよう、強く意見を上申しました。

本事例の結末

最終的に、管財事件とはならず、同時廃止決定が出ることになりました。
そのため、破産管財予納金20万円の支払いを免れ、通院等に不可欠な自動車の売却をすることも免れ、短期間での免責許可決定が出ることになりました。

本事例に学ぶこと

2度目の破産となると、破産管財人が就くことが通常です。

しかし、弁護士の指示により依頼者(債務者)が生活環境を改善して今後の安定した見通しを整え、破産手続にいたる経緯を丁寧に聞き取った上で、丁寧に厚く上申書で管財事件としないよう強く主張していったことが功を奏した事例です。

2度目の破産だからといって諦めず、可能性が低いながらも、懸命に管財事件を回避する努力をすることで、本件のような依頼者にとって非常に有益な結果を得られることもあります。

弁護士 申 景秀
弁護士 平栗 丈嗣

過去に破産歴あり、相当期間経過後に浪費により負債が膨らんだとして二度目の破産手続申立てがなされたケース(管財人側)

事案の概要

過去に音楽関係で生計を立てようとしたがうまくいかず一度目の破産手続を経験し、そこから安定的な収入を得るようになったものの勤務先の倒産等により借入れを再開するようになり、度重なるギャンブル・浪費により負債が膨らんだという事案について破産管財人に選任されました。

主な管財業務の内容

破産者にめぼしい財産はなく、2度目の破産手続かつ浪費的な側面があるということで免責調査が主たる管財業務となりました。
負債の主たる原因はギャンブルへの支出であり、最終的にはクレジットカードの現金化まで行っているようでしたので、それらが免責不許可事由に該当するか否か、また、現在はギャンブル等から離れて生活ができているかの調査を行いました。

本事例の結末

ギャンブルによる負債増大及びクレジットカードの現金化はいずれも免責不許可事由に該当すると判断しましたが、1度目の破産手続から20年程度が経過していること、現在はギャンブル等の浪費原因から離れて生活ができていること等の事情から裁量免責が相当であるとの意見を裁判所に提出しました。
当該意見を踏まえ、裁判所は免責許可決定を下しました。

本事例に学ぶこと

2度目の破産手続については、初回の破産手続において再生の機会をもらったにもかかわらず、再度、債務超過に陥ったということで裁判所の見方が厳しくなります。

2度目の破産手続が必要な状況に陥らないに越したことはないのですが、仮に2度目の破産手続申立てを行う場合には、負債の理由や現在の生活状況等について通常以上に細かく検討されることになりますので、注意が必要です。

弁護士 吉田 竜二

体調不良で働けなくなり生活保護を受給することになったが、それに伴い滞った債務について二度目の自己破産手続申立をしたケース

依頼内容

現場仕事を自営業でやっていたが、腰を悪くして仕事を続けられなくなった、年齢もあり再就職先がなかなか見つからず生活保護を受給することになった、負債総額は多くはないが返済できない、とのご相談でした。
聞けば20年程度前に一度自己破産をしているということでしたが、現状では支払いの継続は困難であるため自己破産手続申立ての代理人として受任しました。

負債状況

100万円未満

資産状況

生活保護受給時に財産調査済みであり、めぼしい財産なし

方針・事件処理の結果

直近まで自営業であり、かつ、2度目の破産手続申立てということで破産管財人が選任されることが予想されましたが、自営業時代の状況及び初回の破産手続の内容等を申立時に可能な限り説明することで破産管財人がつかない同時廃止手続での処理となりました。
その後、無事に免責許可決定が下され、事件終了となりました。

本事例に学ぶこと

本件は直近まで自営業+2度目の破産手続申立てと破産管財人が選任される要素が多く含まれていましたが、生活保護受給の段階で財産関係の調査が行われていること、初回の破産手続申立てが相当程度以前のことであったこと、負債の原因は親族の葬儀費用であり浪費等の問題はなかったこと等から破産管財人の調査の余地は少ないと判断されたものと思います。

弁護士 吉田 竜二

2度目の自己破産で、免責許可決定を得た事例(債務総額 約800万円)

紛争の内容

Aさんは、15年ほど前に一度自己破産をしていました。1度目の自己破産をした後、数年が経ってからダメ元でクレジットカードの審査を申請したところ、この審査が通ってしまい、クレジットカードを作ることになりました。

Aさんはもともと持病があったため年金とアルバイトの仕事で生活をしていました。そのような中で、だんだんと交際費がかさみ、飲食代や収入に比して大きな物品を購入するなどして、気づいた時には借金は800万円にも及んでいました。Aさんは分割払いであれば支払えると思っていましたが、ついに払いきれなくなり債権者の一社から一括払いの請求をされてしまい、分割払いができなくなってしまいました。

もちろん、すでに800万円を全額一斉に返済できる預貯金等は全くなく、アルバイトも不安定な状況が続いており、困ったAさんからご相談がありました。

交渉・調停・訴訟などの経過

上記のとおり、Aさんは2度目の破産であり、その原因が過大な交際費や飲食代といった遊興費であったため、免責不許可事由が否定できない状態でした。

Aさんはアルバイトで生計を立てていましたが、長期にわたり仕事をしており、年金の収入もあったため、2度目の破産であることと免責不許可事由があることを踏まえ、当初は個人再生手続も検討していましたが、アルバイト先の事業が悪化し、仕事がなくなりお給料が入っていないという事態が生じるなどしたため、仕事を辞めざるを得なくなりました。

そのため、Aさんは結局、自己破産を申し立てることにしました。Aさんは2度目の申立てで免責不許可事由もあることから、管財人が就けられることを見越して管財予納金もご用意いただき、裁量免責を目指し自己破産の申立てを行うこととなりました。

本事例の結末

結果としては、申立後、管財人が選任され、自己破産をすることができました。
Aさんは毎日きちんと家計簿をつけ、家計を見直したり今まで行っていた遊興費への支出を辞めました。
生活を改善させ、同じことをしないということを守り、また、申立てに至った経緯も嘘偽りなくお話しをしたため、「裁量免責」ということで再度の破産と免責が認められることになりました。

本事例に学ぶこと

Aさんはご病気もあったため、家計簿をつけるのは非常に苦しかったと思います。しかし、家計簿をきちんと書いていただき、書類の準備もきちんと行っていただけました。

もちろんご家族の協力も必要でした。2度目の破産でありましたが、Aさんが2度と同じようなことは行わない、破産をした後も生活をきちんと維持できるということを決意したために認められたものと思います。

破産の申立てを行う場合には、弁護士だけの力ではできません。ご自身の努力が必要となります。逆にいえば、2度目だとしても、きちんと破産手続の申立をし、その中で適切に資料などを提出して、反省しやり直しの意欲があれば、免責許可がされることもあります。返済にお困りの場合には、一度ご相談ください。

記事監修 代表・弁護士 森田 茂夫

2回目の破産申立て事件

紛争の内容

一度破産をしたことがある人が、当事務所へ破産の申し立てを依頼しました。

交渉・調停・訴訟などの経過

今回の破産の原因は、マンションの購入後、住宅ローンが払えなくなってマンションを手放し、その後借り入れをしなければ生活費を得ることが困難となったという理由でした。

明らかな浪費とも言えないのですが、2回目の破産でしたので、裁判所が破産管財人を選任して、再び破産による負債の免除をして良いか調査をする可能性がありました。

そこで、家計簿を提出してもらい、なるべく無駄遣いをしないようにしてもらい、破産に至ってしまったことについて反省文を書いてもらいました。

本事例の結末

破産管財人が選任されることなく、破産による負債の免除が認められました。

本事例に学ぶこと

無駄遣いをなくして、反省を示すことによって、2度目の破産であっても負債の免除を認めてもらう方法を学びました。

弁護士 村本 拓哉

2度目の破産ながら、同時廃止事件となった事例

ご依頼の内容

依頼者の方は、約17年前にも自己破産の申立てを行い、免責が許可されました。
その後、しばらくの間は借り入れをしませんでしたが、クレジットカードの審査が通ったことをきっかけに、不測の出費が生じた時や生活費が足りない時に借り入れを繰り返すようになってしまいました。
申し立て時の負債総額は約400万円でしたが、借入の原因に浪費等はありませんでした。

本事例の結末

本件では、負債の原因に浪費等が無かったことや、管財費用の工面が困難であったことから、2度目の破産でしたが、同時廃止を目指しました。
弁護士のほうで上申書を作成し、前回の免責から相当期間が経過していることや、前回の免責時と今回では負債が増えた原因が異なること、前回の免責後と今回免責された後では生活環境・安定の状況がまったく違うこと、依頼者の方が2度目の自己破産の申立てに至ったことを非常に反省していること等を説明しました。
結果、本件は同時廃止事件として手続きが進められ、免責も許可されました。

本事例に学ぶこと

依頼者の方は、過去に一度自己破産をしたことがあったため、もう自分は破産手続きを取ることができないと思い込み、ずっと負債に苦しんでいました。

しかしながら、2回目の破産も制度上は可能ですので、再び債務を抱えてしまった方も、お早めにご相談いただければと思います。

また、2度目の破産の場合、裁判所の審査は厳しくなり、管財事件になることが多いと思いますが、本件では依頼者の方の真摯な反省があったこともあり、同時廃止事件となりました。

弁護士 赤木 誠治

2回目の自己破産だが、同時廃止事件となり、免責決定により借金がゼロとなった事例

紛争の内容

依頼者Aさんは、12年前に「浪費」で一度自己破産を経験していました。
今回、12年の間にまたもや借金を作ってしまいました。原因としては、クレジットカードを使用して生活をしていたところ、不景気で会社の給料が減り、クレジットカードの支払をリボ払いにしてしまったことで利息がたまったことが原因でした。やや浪費傾向があったものの、減収というやむを得ない事情もありました。

交渉・調停・訴訟などの経過

当事務所にご依頼いただいて、自己破産の方針をたてました。本人には、12年間の経緯をすべて細かく思い出していただき、詳細に書面を作りました。
また、1円単位で家計簿をつけていただき、生活を見させていただきました。書類に問題がないことを確認し、自己破産の申立をしました。
2回目の破産なのでこのままでは破産管財人がつく予定でしたが(管財人がつくと裁判所予納金20万円が余計にかかる)、弁護士が、同時廃止になるように意見書を書く等工夫しました。

本事例の結末

結果として、弁護士の意見書が認められて破産管財人はつかず、「同時廃止事件」となりました。
その結果、免責決定まで問題なく進み、500万円以上もあった借金は0円となりました。

本事例に学ぶこと

2度目の破産でも自己破産で借金が0円になる可能性があるので、あきらめにずにご相談ください。

弁護士 申 景秀

2度目の破産

事案の概要

家族が突然ご病気になってしまい、その家族を支えるために借入れをしたことがきっかけとなり、弊所にご相談にいらした頃には900万円弱の借入がありました。

すでに十数年前に一度破産をしていたこと、少しではありますがギャンブル等を行ったことがあることから破産をすることができるか難しい状況ではありましたが、ご自身の体調も崩されており、収入が大幅に増加する見込みもなかったため、やむを得ず再度の債務整理をすることとなり、破産を申し立てることになりました。

本事例の結末

二度目の破産をすることになった経緯につき、裁判所に対し詳しく説明し、債権者の意見を聴取した上で、破産をすることができました。

本事例に学ぶこと

破産は借入が多くなってしまった方を救う制度ではありますが、何度も破産が許されるわけではありません。借入をしなければならなくなった経緯がどんなものであれ、何度も破産をすることは、「返せなければ破産」という選択肢を持っているのではないかと疑われかねず、一度目の破産の後に再度返せないような借り入れをした経緯を厳しくチェックされてしまうこともやむを得ません。

その結果、破産ができなくなってしまうことがあります。返済ができなくなってきていたら、返済のために借入れをするのではなく、債権者に損害を多く発生させる前に自分の債務を見直してみてみるのはいかがでしょうか。

二度目の自己破産

交渉・調停・訴訟などの経過

法テラスからの相談で、生活保護受給者。現在外国人の夫がいるが、働いていない。
前の破産の内容は、前婚夫の負債の肩代わりが主。前婚の外国人夫(薬物犯罪者)、現在の外国人夫(就労状況不明)の案件。申立てをして個別審問を経る。

本事例の結末

二度目の破産だったが、免責決定。
受任後、終了までの間、依頼者は病気で治療しており、入院治療が頻繁にあった。集団審尋の日程が合わず、個別審尋となる。

本事例に学ぶこと

病気入院が多かったものの、二度目であることもあり、スムーズに書類が揃ったため、手続きを順調に進めることが出来た。

法テラス受任であるが、生活保護者である以上、支払不能は明らかで、事案自体は簡単である。